パッケージの裏には、「(小麦を含む)」「(乳由来)」「本品製造工場では卵を含む製品を生産しています」などの言葉が並びます。
同じ「卵」や「小麦」でも、書かれている場所と言葉によって、伝えている内容は違います。
「どれが決まりで書かれているの?」「書いていなければ入っていないの?」そんな疑問に、消費者庁の資料をもとにお答えします。
まず結論:「含む」「由来」は中身、「同じ工場」は混ざる可能性の話
食品のアレルギー表示には、卵・乳・小麦など表示が義務の9品目と、表示が推奨される20品目があります。この記事では、両方をまとめて「表示の対象品目」と呼びます。
「(〜を含む)」と「(〜由来)」は、その食品に表示の対象品目が使われていることを示す書き方です。原材料欄に書かれます。義務の9品目を使っている場合は、こうした表示が決まりとして求められています。
一方、「本品製造工場では〇〇を含む製品を生産しています」のような文は、注意書きです。原材料には使っていなくても、混ざる可能性があることを知らせます。「注意喚起表示」と呼ばれます。
つまり、「含む」「由来」は食品の中身について、「同じ工場」は作るときに混ざる可能性についての情報です。
「(小麦を含む)」と「(一部に小麦・卵を含む)」の違い
原材料欄でのアレルギー表示の書き方は、2通りあります。
1つは、原材料ひとつずつのすぐ後ろに書く方法です。例えば「マヨネーズ(卵を含む)」のように書きます。これを「個別表示」といい、消費者庁はこちらを原則としています。
もう1つは、原材料欄の最後にまとめて「(一部に小麦・卵を含む)」と書く方法です。これを「一括表示」といい、例外として認められています。
個別表示なら、どの原材料に含まれているかが分かります。一括表示では、商品全体に含まれる品目がまとめて書かれます。
一括表示では、原材料名に「小麦粉」とあっても、最後の括弧の中に「小麦」と改めて書かれます。なお「乳」は、「乳成分を含む」と書かれます。
「(乳由来)」は、添加物の書き方
「(〜由来)」は、主に添加物に使われる書き方です。添加物とは、乳化剤や保存料など、加工や保存のために加えるもののことです。
添加物が表示の対象品目からできている場合、添加物名の後ろに「(〜由来)」と書くのが原則です。消費者庁の資料には「カゼインナトリウム(乳由来)」「乳化剤(卵由来)」などの例があります。カゼインナトリウムは、乳から作られる添加物です。
「含む」と「由来」は言葉が違いますが、どちらも、その品目を使ったものが入っていることを示します。添加物の欄まで目を通すと、見落としを減らせます。
アレルゲン名が見つからないときは?
原材料欄に、卵や小麦などアレルギーの原因になる食品(アレルゲン)の名前が見つからないことがあります。理由はいくつかあり、意味が違います。
1つ目は、別の言葉で書かれている場合です。個別表示では、原材料名が「たまご」「エッグ」「こむぎ」などの決められた言い換えなら、「(〜を含む)」を省くことができます。「小麦粉」のように品目名を含む言葉も同じです。
ただし「卵白」「卵黄」と書く場合は、「(卵を含む)」を省略できないとされています。
2つ目は、同じアレルゲンが複数の原材料に入っている場合です。個別表示では、どれか1か所に書けば、ほかの原材料では省略できます。名前は1か所だけでも、ほかの原材料にも入っていることがあります。
ここまでの2つは、表示はされているものの、書き方のルールで名前が見えにくくなっている例です。一括表示の場合は、最後の括弧の中にまとめて書かれます。
3つ目は、そもそも表示が任意の品目の場合です。推奨の20品目は、表示するかどうかがメーカーなどに任されています。名前がなくても、使っていないとは限りません。
4つ目は、表示の切り替えを待つ期間中の場合です。カシューナッツは2026年4月に義務の品目に加わりました。ただし2028年3月31日までは、表示を切り替えるための猶予期間(経過措置)です(仙台市の案内)。この間は、含まれていても表示されていない場合があります。
3つ目は表示が任意の品目、4つ目は表示の切り替え期間中の品目です。どちらも、原材料に使われていても名前が表示されていない場合があります。品目や期間は、29品目の解説記事で紹介しています。
なお、表示のルールの対象は、袋や箱などに入って売られている加工食品です。飲食店でその場で出される料理や、ばら売り・量り売りの食品は対象外です。
「同じ工場で製造」の注意書きはどう読む?
注意喚起表示は、原材料には使っていなくても、混ざる可能性があるときに書かれます。例えば、同じ工場や製造ライン(同じ機械や設備)で、その品目を扱っている場合です。
消費者庁の資料には、「本品製造工場では〇〇を含む製品を生産しています。」という例があります。「本製品の製造ラインでは、落花生(ピーナッツ)を使用した製品も製造しています。」という例もあります。
注意書きは、混ざる可能性を知らせるものです。書いてあるかどうかだけで、実際に混ざるかどうかは判断できません。
また、この注意喚起表示は、書くことが「望ましい」とされているもので、義務ではありません。そのため、注意書きがないことは、混ざる可能性がないという意味ではありません。
一方で、「入っているかもしれません」のような、ただ可能性だけを示す書き方は認められていません。消費者庁の資料にある例も、工場やラインなど、混ざる可能性の理由を示す書き方になっています。
注意書きのある商品を食べられるかどうかは、主治医に相談しましょう。製造環境について詳しく知りたいときは、メーカー公式サイトの商品情報やアレルギー情報が参考になります。載っている内容はメーカーや商品によって違い、問い合わせフォームなどが案内されている場合もあります。
パッケージを見るときの3つのポイント
1原材料欄の「含む」「由来」を探す
個別表示なら原材料ごとに、一括表示なら原材料欄の最後にまとめて書かれます。添加物の「由来」も見てみましょう。
2原材料欄を最後まで読む
「たまご」「小麦粉」など、品目名そのままではない言葉で書かれていることがあります。名前が1か所だけのこともあります。
3原材料欄の外の注意書きも読む
作るときに混ざる可能性についての情報です。書くことは義務ではないため、注意書きがなくても混ざる可能性がないとは限りません。
もっと詳しく
原材料欄と、その外の注意書きをセットで見てみる
家にある加工食品をひとつ手に取って、原材料欄の括弧と、原材料欄の外にある注意書きを探してみてください。
中身の表示と、作るときに混ざる可能性の注意書き。この2つを分けて読めると、パッケージで分かることと、公式サイトなどで確かめたいことを見分けやすくなります。
掲載情報について
情報確認日:2026年10月28日
掲載している内容は、消費者庁と仙台市の公開資料をもとにしています。商品の表示は変わることがあります。購入の前や食べる前に、必ず商品の表示とメーカーの最新情報をご確認ください。お気づきの点はお問い合わせからお知らせください。
この記事は、個別の商品の原材料を保証するものではありません。
情報確認日:2026-10-28
